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受け口(反対咬合)を早く治療した方が良い理由

歯のイラスト

受け口とは下の歯が上の歯よりも前に出ている噛み合わせで、「反対咬合」や「しゃくれ」「下顎前突」というふうに表現されることもあります。不正咬合(悪い噛み合わせ)にも色々とタイプがありますが、受け口はその中でも早めの対応をしたほうが良い噛み合わせとして知られ、タイミングが遅れると見た目に大きく影響してくることがあります。今回は受け口について、どのような人がなりやすいのか、自然に治ることはあるのか、受け口の問題点、受け口を放置しているとどのような問題が起こってくる可能性があるのか、についてご紹介していきます。

受け口は遺伝?受け口になりやすい人とは

受け口は遺伝が関係している場合が多くあります。有名な例では、オーストリア王家のハプスブルグ家に受け口の人が多かったことから、欧米では受け口のことを「ハプスブルグ家のあご(下唇)」と呼ぶこともあります。欧米では受け口(下顎前突症)は1%しか見られないとされていますが、この家系では多くの人が受け口でした。このように、受け口は遺伝の要素が強く、ご家族に受け口の人がいたら遺伝することがあります。ですが、必ずしも遺伝するわけではありません。
また、遺伝の要素以外にも、唇を巻き込んで舐める癖や、舌で歯を押す癖、口呼吸、おしゃぶりの間違った使用方法などにより受け口が誘発されることもあります。

受け口は自然に治る?

子どもの歯

厚生労働省の調査結果によると、3歳児健診で上の歯よりも下の歯が前に出ている受け口のお子さんは4〜5%に見られるとされています。永久歯に生え変わる際のタイミングで自然に治る場合もありますが、その割合は1割にも満たないと言われ、かなり少数例であると言えます。もしも、反対になっている前歯が5、6本あり、噛み合わせが深い状態である場合、またご家族に受け口の人がいる場合には自然に治る見込みは少ないと言っていいでしょう。

受け口(反対咬合)の問題点

受け口であると出てくる問題点として、次のようなものが挙げられます。

見た目に問題が出る

受け口は下あごがしゃくれたようになり、見た目がコンプレックスとなって、精神的な面でも悪影響が出ることがあります。

ものがよく噛めない

受け口だと、前歯が全く当たらず、奥歯の一部しか噛み合わない、というような噛み合わせになりやすく、ものがしっかりと噛めません。

発音がうまくできない

サ行、タ行がうまく発音できず、言っていることが他の人に伝わりづらい、というような問題が起きがちです。

虫歯や歯周病になりやすい

下の歯が前方に出やすいことから歯周病にかかりやすくなる場合があります。そして奥歯の噛み合わせの負担が強すぎて、亀裂が入ってそこから虫歯になりやすいというような問題もあります。

顎関節症になりやすい

あごの筋肉の不調和により下あごの運動に問題が出て、顎関節症にかかりやすい傾向があります。

受け口を早く治療したほうがいい理由

受け口には遺伝の要素が強い「骨格性」のタイプと、単に上下の前歯の位置が逆になっている「歯性」のタイプがありますが、いずれの場合でも、上下の噛み合わせが逆になっていると、上あごの成長は抑えられ、下あごはどんどん成長する方向に向かってしまうため、これを早い時期にストップすることが大切です。

骨格性のタイプ

骨格性のタイプは、骨格の異常を早めに修正する必要があるため、より早い治療開始が望まれます。だいたい3歳〜5歳くらいの間くらいが望ましいと言えます。ご家族で受け口の人がいる場合にはこのタイプの可能性が高いため、早めに治療を行なったほうが良いでしょう。

骨格性のタイプは、噛み合わせが反対な状態を放置していると、体の成長発育に伴い、上あごの成長は抑制され、下あごの成長が過剰に起こってしまい、大きく下あごが出た、いわゆる「しゃくれ」の状態になります。成長発育が終わり、あごの骨が一旦そのように大きくなりすぎてしまうと、その時点で歯並び・噛み合わせを治そうと思っても、上下のあごの骨がずれすぎてしまっているので、普通の矯正治療では治せません。そのため、いざ治療するとなると、治療のために下あごを切断して引っ込める、という外科手術を行ってから矯正治療をしなければならないのです。

しかし、こどものうちに、噛み合わせが反対な状態を治し、上あごと下あごの成長のコントロールを行うことにより、下あごが成長しすぎるのを防ぐことができます。早めに対処することで、将来外科手術を行うことを避けることができますし、また、見た目の問題が起きないので、コンプレックスで悩むということもなく、お子さんの負担をかなり減らすことができるのです。

歯性のタイプ

歯性のタイプでは、骨格性ほど急ぐ必要がないことが多く、前歯が永久歯に生え変わった段階(6歳〜8歳くらいの時点)で反対になってしまっているものを、簡単な装置をつけて治すだけで比較的簡単に治ってしまうことが多いです。
もし3歳児健診で受け口を指摘された場合、まずは一度当院にご相談ください。受け口のタイプによって、経過観察をしたほうがいいのか、治療をいつ頃から開始するのが良いのか、などじっくりと相談させていただきます。

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