子供の矯正治療(3~11歳程度)
正常なあごの成長をサポートしながら健康的な歯並びを作ります
矯正治療は永久歯が生え変わってからでも可能ですが、歯並びの異常をいち早く見つけ、成長が盛んな子どもの時期から治療を行うことで、あごの正常な発育を促してきれいなお顔の形を作りながら、理想的で健康的な歯並びを誘導していくことができます。
お子様の矯正治療の3つのメリット
単に今生えている永久歯だけを整える治療ではありません。
(1) あごの成長のバランスが良好に
こどもの矯正は、単に今生えている歯並びの不正を治すだけでなく、お顔のあごの骨の成長もバランスよく成長するようになることを目指す治療です。成長期から治療を行うことによって あごの成長のバランスが良好になり、美しくて健康的なお顔立ちに誘導することを目標とします。
お顔の形が受け口(下あごがでてしまうこと)や上の前歯や歯ぐきごと出てしまうようなお顔の変形までも防ぐ効果があります。
(2) 永久歯を正しい位置に誘導
(3) 悪い癖による影響を除去
お子様の取り外し式矯正装置を用いた矯正治療のメリット・デメリット
親の管理が行き届く年齢に矯正治療を!
実は反抗期「前」の素直な時期が矯正治療には最適な時期かもしれません。矯正装置の装着時間やブラッシングなど、お父さんお母さんが気にかけることで効果的な治療が出来るようになります。
また中学生後半や高校生となると親の言うことをなかなか聞いてくれません。また忙しい学校生活を考えますと口腔内の清掃が十分に行き届いていなかったり、中には矯正医院への通院がおろそかになってしまう学生も少なくありません。親の言いつけを素直に聞いてくれる年代に治療を行うことは、矯正治療を円滑に進めることが出来る時期でもあり、また親御さんの無用な心配やストレスを増やさずに済むかもしれません。
友達に気づかれない 学生時代の悩みに対応
学生時代は多感な時期であり、ワイヤーの装置を嫌がるお子さまもいますが、取り外しの出来る矯正装置では、そのような問題も解決しています。見た目を気にし始めるお子さまにとって、表側の固定式の矯正装置はコンプレックスやいじめにつながる恐れも皆無ではありません。取り外しの出来る矯正装置は付けていても比較的気付かれにくいというメリットがありますし、また何かの時には取り外すことができます。
スポーツ、楽器の演奏、クラブ活動やお稽古ごとも大丈夫!
表側のマルチブラケット矯正装置(通常の表側のワイヤーの矯正装置)では、運動中に何かにぶつかってしまったり、転んでしまった際にお口の中を怪我する可能性がありました。スポーツ中にも影響のない取り外しの出来る矯正装置を使用することで運動中も安心して装着が出来るタイプのものもあります。また一時的に取り外したりすることも自由にできますので楽器の演奏、クラブ活動、お稽古ごとにも影響を与えにくい治療法です。
歯ブラシがしやすく、ブラッシングもいつも通り!また食べたいものが何でも食べられる!
ワイヤー型のマルチブラケット矯正装置ですと、治療中は歯ブラシが重要です。ブラッシングがおろそかになってしまうと装置の周りに汚れが残ってしまい歯肉炎や虫歯の原因となってしまう可能性があります。またこの年代はブラッシングがおろそかになってしまう方が多い年代でもあります。
取り外しの出来る装置では、食事中や歯ブラシ中は装置を外すことが出来、ブラッシングがしやすいというメリットがあります。また特に食べ物の制限はありません。食事の際には矯正装置を取り外し、好きなものを自由に食べることが出来ます。
痛みや異物感が比較的少ないものもあります!
痛みを我慢しなければならないのは、お子さまにとって辛いことです。勉強や学校生活に集中するためにも、違和感の少ない治療をご選択出来ます。
歯の生え変わりの時期が矯正にとって最適な時期!
実は、歯の萌出途中(乳歯から永久歯へと生え変わる交換期)が矯正治療には有利なのです。お子さまの矯正は、全身的に成長中の時期のため、あごの骨の成長のバランスを良好にすることが出来ます。美しく健康的なお顔立ちときれいで機能的な歯並びが目標です。
こどもは歯の動きが早い
成長中は、新陳代謝も旺盛なため大人に比べて歯の動きも早く歯の移動には最適な時期です。
抜歯を回避することが出来る。なるべく抜歯を回避したい方には最適
上記の効果により アメリカ矯正歯科学会では、「7歳頃には矯正専門医の診断を受けて頂く」ことを推奨しています。
デンタルIQがアップ
若い時期から歯への意識を高めることや適正な歯ブラシの仕方等を通院を通して学ぶことで矯正を通じて歯並びだけでなくお口の健康を考える良い機会になります。将来の健康にもつながります。
口腔内トラブルが少ない
固定式の矯正装置の場合、治療期間中、装置が脱離するなどの緊急性トラブルを生じることがあります。取り外しの出来る装置の場合、装置の破損の可能性はありますが、取り外しが出来る為、緊急的な通院が生じる可能性は、固定式と比較すると低くなります。
通院回数・通院頻度が少ない
基本的に1.5ヶ月~2ヶ月毎の通院となります。
ワイヤー矯正のような頻繁な調整が必要ないため、学校の試験や部活の大会、留学などで一時的に来院が困難な場合でも矯正治療を進めることができます。
歯の移動チェックシステム※を導入すると治療中「短期留学」や「通院間隔を伸ばす」ことが可能となり遠方から通院なさっている方やお忙しい方は、「通院回数を減らす」ことが出来るようになりました。
お子様の歯並びがちゃんと良くなっているのか、また計画通り動いているのか不安な方へ 治療中いつでも治療状況の確認が出来るようになりました
※歯の移動チェックシステムは、遠隔より患者様の歯並びや歯の移動をコンピューター上でチェックします。予定通りに正確に歯の移動が生じているのかどうか、その他問題が発生していないかどうかということを、通院することなく担当医がチェックを行うと共に、システムコンピューター上で予め計画された治療計画や予定と照らし合わせながら、自動的に歯の移動チェックを行います。何らかの緊急時(歯が予定と異なる移動が生じてしまった。治療効果が出ていない。装置が壊れてしまった。歯が異常に削れてきている。歯ブラシが行き届いていない。等)には、アラートメール(お知らせ)でご本人やご父兄の方へお知らせを送信することが出来る画期的なシステムです。患者様がお子様の場合には、歯の移動状況が確認できますのでご父兄の方々も比較的安心して治療を進めることが出来るシステムです。
金属アレルギーをお持ちの方にも安心!
上記のようにお子様にとっては、メリットも多い取り外しの出来る矯正装置を用いた矯正治療ですが、装置の推奨使用時間を守れない人には不向きと言えます。その場合、固定式の矯正装置を選択することをお勧めすることもあります。
取り外しのできる装置(お子様用)
矯正を開始するベストのタイミングは成長による個人差や治療法によって変わってきます。暦齢はおおよその目安としてご確認ください。詳細は初診相談時に御相談ください。
3~6歳のお子様用
歯列矯正用咬合誘導装置(ムーシールド)
反対のかみ合わせ、うけ口のお子様に使用します。年少児より装置を使用することによって歯並びだけでなくお顔の骨格のバランス(下あごが前に出てしまう、しゃくれ顔等)も良好にすることが出来ます。
【使用期間】約6~12か月
【使用時間】お家にいる時に使います
6~10歳のお子様用
機能的顎矯正装置(ファンクショナルアプライアンス、バイオネーター、オーソぺディックコレクター、フレンケル、ビムラー、FKOなど)
凸凹(でこぼこ)や出っ歯、あごの骨の成長が悪いお子様に最適!この装置により、悪い歯並びを改善、また将来の歯並びを悪くしないように誘導します。個人差がありますが、6歳前後に開始すると効率的です。アメリカ矯正歯科学会では、7歳までに専門医の診断を受けることを推奨しています。上下のあごの骨の成長のアンバランスや成長不良を改善します。
自分の筋肉(咀嚼筋:かむ筋肉、口輪筋:唇の周りの筋肉など)の力を使ってあごの骨の成長を活発にします。また、口腔周囲筋の強化や口呼吸の改善に使用します。
あごの骨ごと“出っ歯”になってしまっている方やあごの成長が悪く“乱ぐい歯”になりかかっている方に最適です。この装置を使用することによって、歯ならびの問題だけでなく上下のあごの骨の発育、バランスが良好になります。その結果、永久歯の抜歯の回避、仕上げの矯正治療の単純化や回避、また仕上げの治療期間の短縮が可能です。
【使用期間】1~2年
【使用時間】お家にいる時に使います
プレート型矯正装置(咬合挙上板、拡大床など、俗に言う床矯正装置もこちらに含まれます。)
あごの拡大や部分的な歯の移動に使用します。
前歯1本だけ逆になってしまっている場合などにも最適です。
【使用期間】約6ヶ月
【使用時間】お家にいる時に使います
年齢11歳~のティーンエイジャー用
マウスピース型矯正装置
部分的な矯正治療から全体的な矯正治療まで可能なマウスピース型の矯正治療。金属成分を一切含まないため、金属アレルギーを持つお子様にも適しています。
【使用期間】
治療目標によって治療期間も様々ですが、部分矯正の場合、約6ヶ月~
全体矯正の場合、約12~24ヶ月程度
【使用時間】
利用するマウスピースタイプ、治療目標によって使用時間も様々ですが、おおよそ12~20時間。
全体的な矯正の場合、一日20時間使用が推奨されています。