子供の食事時の姿勢が歯並びを決める!?
歯並びは子供のうちからチェックして、矯正治療の必要性などを確認しに歯科医院へ通っている方も多いかもしれません。食事内容や歯ぎしりの癖などで歯並びへ影響があるとご存知の方も多いかと思います。では、普段の食事の姿勢も歯並びに影響をあたえていることはご存知でしたでしょうか。
食事の際のマナーやしつけはしっかり行っているというご家庭も多いかと思いますが、実際にどんなことに気を付ければいいかご紹介します。
まずは机と椅子をチェック
ひと昔前までは、畳の上で正座をして食事という光景がよく見られました。正座をすると自然と背筋が伸びた姿勢になるものです。
しかしながら、最近ではほとんどの家で、テーブルと椅子を使う機会の方が多いことでしょう。食事の姿勢に大きく影響を与えるのが、机と椅子の関係です。普段何気なく座っているものですが、これにも注意が必要です。チェックポイントはいくつかありますが、まず椅子に座ったとき両足の裏が床にしっかり付いていることがポイントです。半分以上の子供が大人用の椅子に座り、足をブラブラさせた状態で食事をしているというデータもあります。この状態では、咬む力が1.5割もダウンしているといわれています。
そして、次に背筋がまっすぐ伸びているかも大切です。重心が傾いていると、ものを咬む際、しっかりと力を入れることが出来ず、顎の成長に悪影響があります。
体にぴったりあった机と椅子が望ましいですが、一時的に足元に箱などを置いて、足がしっかりと付くようにすることが大切です。
子供に最適な椅子とは?
子供用の椅子も数多くの種類が販売されていますが、どのように選ぶのがいいのでしょうか。付いていると良い機能として、座板の高さや奥行きが調整出来るタイプがおすすめです。その際、座面が大きすぎると背もたれまでの距離が遠くなってしまい、体が安定しなくなってしまうので、気を付けましょう。いわゆる「犬食い」や「猫背」の原因となります。
そして、足置きも選ぶ際のポイントの1つです。体の大きさが変わっても足が付くよう、子供の成長に合わせて高さを調整出来るとベストです。ボルトで簡単に高さを調整できるタイプなら、組み立てが苦手な方でも簡単に取り扱いが可能です。常に足がしっかり付くことで、ものを噛む習慣がつき、歯並びだけでなく脳の働きも高める効果が期待できます。
食事中のこんな姿勢は要注意
子供の頃の悪い習慣が将来的な歯並びの崩れにつながるケースもあります。頬杖をついたり、スマホを見ながら食事をとるなどの習慣は早い時期に見直さないと、噛み合わせにも問題が起きることが考えられます。
その他にも前かがみになるなど一見、気が付きにくい姿勢にも悪影響があります。
姿勢が悪くしっかりとものを噛まない生活を続けていると、アゴが育たないため、歯並びが悪くなる以外にも影響があります。
例えば「虫歯・歯周病のリスク」「顎関節症」「体のバランスが崩れることで引き起こる肩こりや頭痛」「消化吸収が悪くなり消化器官に負担がかかる」などその他の病を引きおこす可能性もあるのです。
しっかりと噛めないと多くのデメリットが
しっかりと食べ物を噛めない姿勢では、多くのデメリットがありますが、歯の成長にはどのような関係があるのでしょうか。
最近では、柔らかい食べ物が増え、噛む力が衰えている傾向にあります。子供に限らず、大人もしっかりと噛むことを心掛けることが大切です。しっかり噛み、だ液の分泌が増えることでカルシウムと結びつき歯を強くするメリットもあります。また、お口の中の自浄性も高まり、虫歯や歯周病の予防にもつながります。
凸凹の歯並び等、歯に問題がある場合には、トレーニングで改善される場合も多いのですが、顎自体に歪みが起きてしまうと矯正治療が必要になってしまいます。そのため、早期の治療開始をおすすめします。
歯並びはお口の中の筋肉にも影響される?
歯並びは遺伝と思われている方もまだまだ多いですが、子供の歯並びはお口と舌の筋肉によっても決められる部分があります。歯は舌に押し出され歯ぐきの中央に並んでいくためです。
姿勢の崩れなどで異常な力が加わると、顎の形の変形を引き起こし歯並びが崩れることになります。姿勢が悪く、しっかりと噛むことが出来ないことで柔らかいものばかりを食べ、固いものを噛まない生活を続けることで凸凹な歯並びになってしまうリスクもあるのです。
固いものをしっかりと食べることで顎の骨に刺激が加わり、顎の成長を促す効果が期待できます。この成長がないと、顎が広がらないため大人の歯が並ぶスペースが確保できずに、凸凹に歯が並ぶことになります。
まとめ
子供の食事の際に食べるものはしっかり選んでも、椅子や姿勢にまでは気にかけていなかった方もいるかもしれません。しっかりとものを噛むことは顎の成長につながり、歯並びにもいい影響を与えます。現在では矯正する方法も増え、患者の負担を最低限抑えられる方法も出てきましたが、やはり時間と費用はその分かかります。大掛かりな矯正治療にならないよう子供のうちから、食事の姿勢に気を付けることで、大人になってからの様々な負担を軽減させることにもつながります。