矯正治療で抜歯する前後に気を付けるべき注意事項とは?
矯正治療を行うにあたり、抜歯が必要になるケースも出てくるかもしれません。そのような場合にトラブルを防ぐためには、どのようなことを事前に確認しておくべきなのでしょうか?
まず、始めに歯科医師とのカウンセリングを行いますが、どこの歯を何本抜くのか、確認しておくことが大切です。歯を抜く順序や、いつどこの歯を抜くのかしっかりと把握しておくようにしましょう。
万が一、抜歯後に体調が悪くなる可能性を考慮して、昼間の時間帯を予約することをおすすめします。夜に抜歯をしてしまうと翌日まで連絡がとれなくなってしまうためです。
歯科医師とのコミュニケーションをしっかりとることが大切になりますので、話をよく聞いてくれるかどうかを、歯科院を選ぶ際の1つの基準にすることをおすすめします。
アレルギーや持病など事前の申告や注意すべきこと
歯科医師とのカウンセリングでも確認されますが、現在、持病のある方や服用している薬がある方は事前に申告が必要です。
薬を服用する際に、副作用によって思わぬトラブルが発生してしまう恐れがあるためです。複数の薬を飲むことで、効果が薄れてしまうこともあります。カウンセリングの際には実際に服用している薬を持参することをおすすめします。
また、妊娠中や妊娠の可能性がある場合には、注意が必要です。出来るだけ、安定期に入ってから抜歯を行うようにします。歯科で使用されるレントゲンはごく微量なため、健康には問題はありません。しかしながら、抜歯後に処方される薬がありますので、薬の種類には気を付けるようにしましょう。もちろん、麻酔の使用量も抑えて、胎児に影響がある薬は処方されませんのでご安心ください。
出来れば妊娠の前に矯正治療を終えておくことが望ましいところです。
すべての非抜歯の矯正がいいとは限らない
矯正治療を行う際、抜歯をする治療、しない治療があります。出来ることなら非抜歯で治療を行いたいという気持ちはあるかもしれせんが、抜歯をしたほうが綺麗にトラブルなく治療を進められる場合もあるのです。全てのケースで非抜歯の矯正を行えることをうたっている歯科医院は注意が必要です。
では、実際に抜歯を行う歯はどのように決めていくのでしょうか?基本的には、寿命の短い歯や状態の良くない歯を優先して抜歯していきます。状態の悪い歯がないケースでは、小臼歯(前から4、5番目の歯)を抜歯していきます。さらに奥にある奥歯は、食べ物を噛み砕いたりするために使用する重要な役割を持っているため残されます。
抜歯後の食事は注意
矯正治療をはじめ、抜歯を行った後にも注意することがあります。
では、抜歯をすると歯はどのような状態になるのでしょうか?抜歯後には血餅(けっぺい)と呼ばれるぷにゅぷにゅとした膨らみが出来ます。これは、抜歯をするとほとんどのケースで見られますが、舌で触ったり、取ろうとしてはいけないものです。歯を抜いた場所は穴になっていますが、それを塞いでくれるのが、この血餅なのです。そのため、この血餅が出来ないと痛みを感じることになります。稀にドライソケットと呼ばれるこの血餅が出来ない症状がでることもあります。
食事の際にも注意が必要です。抜歯直後は、なるべく柔らかいおかゆなどを食べるのがいいでしょう。そのときには、歯を抜いた箇所に食べかすなどが入ると炎症を起こしてしまうこともありますので、直接食べ物が当たらないように気を付けましょう。食後には軽くうがいをして、清潔にしておくことが大切です。医師からは痛み止めの薬も処方されますので、痛みを感じたら飲むようにします。感染予防の抗生物質は飲み切るものもありますので医師の指示に従い服用しましょう。
まとめ
矯正治療を進めていくにあたり、抜歯をするケースもあります。その際にはトラブルを防ぐためにいくつか注意をしておくことがあります。治療をするにあたり歯科医師とのカウンセリングがありますが、その際、抜歯の本数や抜歯の時期を確認し、把握しておくことです。「思っていたのと違う治療をされてしまった」などのトラブルを防ぐことにもつながります。
カウンセリングの場では、服用している薬や持病もしっかりと伝えておくようにしましょう。思わぬ副作用によって、体調が悪くなったり、薬の効果が薄れてしまうことを避けるためです。また、妊娠の可能性がある患者様も医師へ相談しておくことで、服用する薬などを考慮してもらえます。
抜歯の日時を決める際には、抜歯直後の急な痛みなどのトラブルの相談が出来るよう、昼間の時間帯を予約することをおすすめします。
抜歯後にも注意をする点があります。抜歯直後には血餅と呼ばれるふくらみが出来ますが、これは、抜歯の穴を埋めるための大切なものなので、むやみに触ったり、取ったりしないように注意しましょう。血の塊が穴に入りますが、これがかさぶたのようになり、穴がふさがるための最初のステップとなるのです。食後も清潔に保つように心がけることで、より早く元の状態に戻ります。