矯正歯科が必要になりやすい子どもの特徴とは
矯正が必要になってしまう子ども達には、いくつかの共通点があります。まずあげられるのが、永久歯に生え変わる前に歯の間に隙間がないことです。子ども歯は2,3歳で乳歯の歯並びが揃い、5,6歳にかけて、永久歯へと生え変わる準備が始まります。その際、歯の間に隙間が見られる場合がありますが、これは顎の成長が進んでいることの証なので、特に心配することではありません。
逆にこの時期に、隙間がない場合、永久歯の入るスペースが確保できないことから、将来的に歯並びが悪くなってしまう恐れがあります。
実は、永久歯に生え変わるのは前から6番目の奥歯からです。その後、前歯が生えてきます。ご両親はお子さんの歯の成長もしっかり見守り、定期検診で歯科医院に通うことをオススメします。
咬み合わせに注意を配る
歯並びと噛み合わせの状態は、運動能力にもつながっているということをご存知ですか?現に、プロのスポーツ選手の多くは、非常にきれいな歯並びをしている人が多く見られます。人は体に力をいれる際に、無意識に歯を食いしばることで、口の周りの筋肉も使っています。そのため、正しい噛み合わせをしていない歯では、しっかり歯が噛み合わせられず、口の周りの筋肉がうまく使えなくなってしまうのです。そうすると、口の周りの筋肉の緊張のバランスが崩れ、それが全身の筋肉の緊張のバランスも崩してしまい、その結果、運動能力そのものに影響してくるのです。
こうした歯並びおよび噛み合わせと運動能力との因果関係は、国際オリンピック委員会や先進国におけるスポーツ選手を育成する機関でも研究や発表が行われております。
歯並びはお口の筋肉も影響を受ける
子どもの歯並びを決める要素の一つにお口のまわりの筋肉の影響があります。歯に力が加わるような原因があると、歯が押され歯並びが悪くなってしまうリスクがあるのです。このような筋肉はいくつかの癖によって、影響を受けます。
まず一つは指しゃぶりです。小さな子どもは指しゃぶりをするものなので、問題はありませんが、5歳を経過すると歯並びに影響が出てきます。前歯が押される、上の歯のスペースが狭くなるなどの影響から、出っ歯になってしまうのです。矯正によってすぐに治せるケースもあるので、出来れば、乳歯のうちに治療を終えてしまうことがオススメです。治療期間が長くなるケースもありますが、早めの治療を始めることが大切です。この他にも出っ歯の原因となる癖は複数あげられます。口呼吸、舌を出す癖、下唇を噛む癖がある場合、前歯を前に押し出す力が加わってしまうことから、上の前歯だけが前に出てしまうリスクが高くなります。
また、食生活によって歯並びが変わってくるケースもあります。固いものを食べていると、しっかりと顎の成長が促され、大きくなっていきますが、あまり固いものを食べない食生活をしていると、顎が成長できずに、歯が並ぶスペースも狭くなってしまいます。そうなると、結果的にガタガタの歯並びになってしまうのです。
いずれも早めに歯科医院へ通い、原因を取り除けば、歯並びを改善できる場合もあります。歯並びが心配な場合は、まず相談や健診に行くことが大切です。
まとめ
矯正治療が必要になるケースとして、咬み合わせの異変があげられます。咬み合わせが通常と異なることで、歯の並びもズレてしまうのです。出っ歯と呼ばれる上顎前突においては、指しゃぶりや舌を前に押し出してしまう等が原因として考えられます。歯並びはお口のまわりの筋肉にも影響を受けるため、お口のトレーニングで改善されるケースもあります。トレーニングは様々ですが、まずは継続して、自分に合ったものを行うことが大切です。歯科医師と相談してみましょう。また、受け口と呼ばれる反対咬合のケースでは簡単に治せるケースもあれば、長い治療が必要なケースもあります。年齢によって治療法が変わってきますが、早めに治療を始める場合には、マウスピース治療を行い、舌の位置の矯正と合わせて、治療を進めていきます。永久歯が生えそろう時期になると、ワイヤーを使った矯正装置での治療が一般的になってきます。
最近では、マウスピースタイプの矯正も増えてきていることから、目的やタイプによって治療方法を選べるケースも増えてきています。いずれにしても、長い治療期間が必要なケースもあることから、定期的に歯科医院に通いつつ、食事等で不便が起きないように、しっかりとサポートしていく体制が必要です。