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歯科コラム

気になる歯並びの矯正中にしてしまう「食いしばり」の危険性

スポーツをしている時や何かに集中している時、無意識に歯を食いしばっていることはありませんか?また、重いものを持つときや力をこめるときにもついつい食いしばってしまうことがありますよね。あまり意識をされたことがないかもしれませんが、歯並びの矯正中に頻繁に食いしばりをしてしまうと、思わぬトラブルにつながることがあります。矯正中に食いしばりをすることによって引き起こされるものの危険性について当院がご紹介します。

歯並びの矯正中にしてしまう「食いしばり」は危険?

歯並びの矯正中にしてしまう「食いしばり」は危険?

食いしばりをしている時、その力は歯に対して垂直、縦方向にかかります。一方で、歯並びの矯正で加えている力は、歯に対して平行、横方向や前後の向きです。左右や前後に動きたいのに、上下からぐっと押さえつけられてしまったら、思うように動くことができませんよね。一時的なものであれば良いですが、食いしばりのように継続的に押しつぶされるような圧力がかかってしまうと、せっかく矯正しようとして動かしている歯が上手く動いてくれず、矯正のスピードが遅くなって治療計画が遅れてしまったり、治療自体が長引いてしまう可能性があります。また、矯正したい方向とは違った方へ歯が動いてしまうという可能性もあり、食いしばりは治療の妨げになってしまいます。

治療の妨げ以外にもこんなトラブルを起こすことも!

歯並びの矯正を遅らせてしまうことの他にも、食いしばりは歯やそれ以外の箇所にも悪影響を及ぼします。

歯が欠けたりひびが入る

歯の食いしばりは、想像以上の強い力が歯に加わります。無意識のうちに頻繁に食いしばりをしてしまっていると、圧力に負けて歯が欠けてしまったり、ひびが入ってしまうことがあります。特に、治療で神経を抜いている歯は注意が必要で、他の歯に比べて脆くなっているため、歯が割れてしまう場合があります。せっかく矯正をして歯並びをきれいにしようとしているのに、肝心の歯が欠けたり割れたりしまっては見た目の美しさが保たれません。

頭痛や肩こりの原因になる

歯にぐっと力を入れてみるとわかるのですが、食いしばっているときは首回りや肩、頭にも力が入ります。そうすると、首や肩、頭の筋肉が緊張してしまい、負担となって痛みとしてあらわれるのです。朝起きると頭痛がしているということがよくある方は、睡眠時に無意識のうちに歯を食いしばっている可能性があります。

顎関節症を引き起こす

食いしばりは、顎の骨にも負担をかける行為です。あまりに強い力で食いしばっていると、顎がカクカクと音を立てたり、口が開きにくくなったり、顎周りに違和感を感じるといった顎関節症の症状がでることがあります。顎がずれてしまったり、顎のずれによる全身のずれを引き起こすこともあるため注意が必要です。

歯周病になりやすくなる

歯周病とは、歯茎や歯の周辺組織が炎症を起こす病気ですが、食いしばりをすることで歯茎にも負担がかかるため、炎症をさらに引き起こしやすくなってしまいます。炎症を起こすと歯と歯茎の隙間が広がってしまい、その部分に細菌が溜まりやすくなります。細菌が溜まっていくと繁殖しやすい環境ができてしまい、歯周病がどんどんと悪化してしまうのです。

食いしばりをしてしまう原因はなに?

食いしばりをしてしまう原因はなに?

食いしばりをしてしまう原因はいくつかあります。
その一つが、疲労やストレスです。仕事など日常生活での疲れやストレスはもちろのこと、歯並びの矯正中は矯正による痛みや違和感などでもストレスを感じます。これらを一時的に強い力を加えることで鎮めようとするのが、食いしばりが起こる原因です。また、体が緊張状態にあると無意識に歯を食いしばってしまうことがありますから、ストレスを上手に解消し、リラックスできる時間をつくることが大切です。
二つ目に、歯の治療で装着した詰め物や被せものが合っていないというのも原因となる場合があります。詰め物や被せものをしたときに噛み合わせがあっていないと、食いしばることでどうにか噛み合わせを調整しようという意識がはたらきます。
三つ目に、飲酒、喫煙、カフェインの摂りすぎといった日常生活での行いがあげられます。これらは自律神経を乱す原因となり、体が緊張状態になりやすくなってしまいます。一つ目の疲労やストレスの部分でご説明したように、緊張状態が続くと歯を食いしばってしまうことが多々あります。
歯が欠けてしまったり、頭痛や肩こりを引き起こしたり、歯周病の悪化につながったりなど、食いしばりは体に大きな影響を及ぼします。また、せっかくの歯並びの矯正治療でなかなか効果でないといった残念なことにもつながってしまいます。食いしばりは無意識のうちにしていることが多く、なかなか気を付けていても改善することが難しいですが、まずは疲労やストレスをためないようにすること、飲酒や喫煙、カフェインの摂りすぎに注意することから始めてみましょう。歯並びの矯正は痛みや違和感が伴うことが多いですが、上手につきあって、きれいな歯並びを手に入れたいですね。

「顎関節症」について詳しくはこちら

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