アンカー矯正の施術後はいつから歯磨きして良いの?目安と注意点
アンカー矯正という言葉は聞き慣れない方も多いかもしれません。アンカー矯正とは、歯ぐきにインプラントを挿入し、ワイヤーを引っ掛ける治療法です。アンカー矯正施術直後は歯磨きが出来ないなど、いくつかの注意点があります。
今回は施術後、歯磨きが出来るタイミングなど気を付けるべき点をご紹介していきます。
インプラントをむやみに触らない
アンカースクリュー(インプラント)を歯ぐきに埋め込む際に麻酔を行います。矯正用インプラントを埋め込む際は表面に麻酔を塗布し、局所麻酔を行うため痛みはほとんどありません。差し歯の治療に使われるインプラントよりも小さなミニインプラントが使用されます。
局所麻酔が切れたときに疼痛がある場合があるので、念のため痛み止めを処方します。また、感染のリスクも少ないとはいえ否定出来ないことから抗生物質も処方しています。
矯正治療中も、インプラントで力をかけたことが原因で植立したところが痛むことは通常ありません。埋め込んだ矯正用インプラントの撤去時には、ほとんどの場合、局所麻酔を行うことなく除去することも可能です。
また、埋め込み直後は麻酔の効果が残っていることもあります。歯ぐきに金属を埋め込む手術に使われることから、麻酔も強力です。感覚が鈍っているため食事は控えましょう。特に熱い食べ物は、温度を感じにくいことから火傷をしてしまう可能性があります。麻酔がきれてきても指でインプラントを触る行為は厳禁です。治療途中に自然に外れるケースもあるなど、とてもデリケートな器具なのです。舌でも触らないようにしましょう。
歯磨きはいつから出来るの?
埋入したインプラントは強い刺激を避ける必要があることから、術後二週間はインプラント周辺の歯磨きは避けるようにしましょう。歯科医院で専用の洗口剤が渡される場合もありますので、刺激を与えないよう口をすすぎます。この時期は炎症や痛みを引き起こす可能性が高いためです。
万が一痛みがある場合には、歯科医師から処方される薬を飲んで症状を抑えるようにしましょう。二週間たったら、うがい薬をインプラント部分につけて、専用のブラシで磨き、お掃除をしていきます。その際、ブラシは柔らかめのものをオススメします。
慣れないうちは歯ブラシがインプラントにあたり、痛みを感じることもありますので、注意して磨くようにしましょう。スクリューのヘッドの下は、歯間ブラシを使うことでスムーズに磨くことが可能です。お手入れが行き届いていないと、粘膜が腫れて出血がしやすくなってしまう恐れもあります。
必ず成功するとは限らないアンカー矯正
インプラント埋入の成功率は約8割といわれています。スクリューが破折したり、脱落する可能性があるためです。その場合には埋入位置を変更せざるを得ない場合があります。埋入後も感染などによりインプラントが動揺するケースもあり、動揺が大きい場合にはインプラントを撤去して再度埋入することもあります。軽度の動揺であればスクリューを締め直して様子を見ます。
普段の生活で気をつけること
アンカー矯正を行っていても、普段と変わらない生活を送ることができます。しかしながら、インプラント周辺は炎症を起こしやすいため、常に清潔に保つようにしましょう。強く歯磨きをする事はNGです。
しかしながら、矯正装置の留め具と同様にプラークが溜まりやすい状態になっています。
矯正用インプラントを埋め込んだ後は少なくとも二週間後にはゴムなどの矯正力をかけ始めます。大きく固い食べ物はインプラントへ強い力がかかり脱落の原因となることもありますので小さく切ってから食べるようにしましょう。
歯が動いて治療が終わったらどんなことに注意すればいい?
アンカー矯正が終わったら(通常は6カ月~1年程使用する)インプラントは取り外します。取り外しは簡単でインプラントを半回転させるだけで外すことが出来ます。若干の痛みを伴いますが、麻酔をすることなく外すことも可能です。
取り外した場所は一週間前後で元通りになり、傷が残ることもありませんのでご安心ください。インプラントを除去した場所は、しばらくは穴が開いている状態になっているため、直接、刺激が加わるようなメニューや食べ物は避けるようにしましょう。なかには抜歯後と同様の食生活を指導する歯科医師もいます。どのような措置を取っていたかにより、異なることもあるので、担当の歯科医師に確認するようにしましょう。
まとめ
アンカー矯正を行うことで、以前ならヘッドギアや複雑な矯正装置を装着せざるを得なかった症例を、シンプルな装置で治療可能にする大きなメリットがあります。
しかしながら、歯ぐきに直接インプラントを埋め込むことから、常に清潔に保つことを意識して、治療を進める必要があります。二週間後に歯磨きが出来るようになるのも1つの目安のため、ケースによって異なる場合もあります。
詳しくは、担当の歯科医師に確認した上で、お手入れやメンテンスを行うようにしましょう。